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朝ごはんの準備をしていると、トモエがキッチンに入ってきた。
「フランソワーズさん、お手伝いします」
「あ、ありがとう。」
「フランソワーズさんが羨ましいなぁ~、ジェットさんもピュンマさんもカッコいいし~。」
「羨ましいなんて初めて言われたわ」
「島村さん優しいし」
「そうね…彼は誰にでも優しいわね。」
皮肉ではない…と思う。
本心で言ったとしたら…。
そうね、彼は誰にでも優しいのよ。
私だけではない…。
「島村さんって彼女いるのかな~?」
胸がちくっとする。
私達っていったい何なのだろう。
トモエが学校に行く。
近くの研究室に用事があるジョーが送って行った。
フランソワーズは食事の後片付けをすると、洗濯を干し始める。
全員揃っている時よりはましだが、それでもかなりな量の洗濯物だ。
眠っているイワンの事をわざわざトモエに教えることもないだろうと言うことで、イワンの存在は隠してある。
眠っていてもイワンの洗濯物は出るから、トモエのいない間にすぐ乾く位置にイワンの洗濯物を干す。
次に広げたシャツ。
深い海の色のような、夜の空のような綺麗な濃紺のシャツ。
このシャツを着たジョーに、何度抱き締められただろう。
思い出し、顔を赤くする。
「…何やってるの?」
ドキッ!!として振り返ると、そこにはピュンマの姿があった。
「あら、終わったの?」
ピュンマは今朝から研究所のコンピューターのメンテナンスを行っていた。
メンバーでコンピューターに明るいのは、ピュンマとフランソワーズだったが、フランソワーズは戦闘時にハッキングなどを行わなければならないため、普段はコンピューターをいじるのを嫌がっていた。
「コーヒー貰える?」
ピュンマはどかっとソファーに腰を降ろす。
「ええ」
自分が手伝えれば、ピュンマの負担は半減する。後ろめたさがあった。
「ごめんなさい、私のワガママで」
コーヒーを淹れながら、フランソワーズがポツリと呟く。
「大丈夫だよ、あれくらい一人で出来るって。キミだって家事が忙しいからね、いつもありがとう」
ニコッと笑うピュンマの白い歯がまぶしい。
「しかし、トモエはジョーにゾッコンだよね?」
フランソワーズの反応見たさにわざとふる。
「そうね」
あまり興味ないフランソワーズの反応に、ピュンマはふっと笑う。
「ジョーはキミに対して一途だと思うよ、ただね、キミの国の男と違って素直に気持ちを出せないようだよね、日本人の男には多いらしいよ。」
でも…ね。
トモエの言葉がよみがえる。
島村さんって彼女いるのかな~?
私達ちゃんとした約束すらしていないのよね…。
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