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深夜。
ジェットはアルベルトが前に持ってきておいた秘蔵酒があるのを覚えていた。
ひとりこっそり拝借しようと、誰もいないはずのリビングのドアを開ける。
「うわっ‼︎お前何やってんだ⁉︎」
パソコンに何やら入力しているジョーの姿だった。
「こんな時間に何やってんだ?」
「ちょっと煮詰まっている案件があってさ。」
ふ…ん、頑張ってるじゃねーか。
ジェットはキッチンの棚からアルベルト秘蔵の酒を持ってくる。
「お前も飲むか?」
ちょうどいい、共犯者がいたら、怒られるのも半減だ。
ジョーは、パソコンをシャットダウンすると「アルベルトの秘蔵酒だろ?いいのか?」と言いながらキッチンに向かいグラスを2つ持ってくる。
お前…言ってることとやってることが違うぞ!!
呑む気満々じゃねーか。
「ちょっと位ならわかりゃしねーって!!」
「ちょっと位なら…ね」
2人でニヤリとする。
その後は2人でアルベルトの秘蔵酒を酌み交わす。
「お前と飲むのは久しぶりだな」
「うん、あのニューヨーク以来だね」
2人同時に怒ったフランソワーズの顔を思い出す。
同時に吹き出す。
「スゲー怒られたな」
「うん…」
「なぁ、アイツを外に出さないのはお前のテイシュカンパクって奴か?」
「どこでそんな言葉を覚えてくるのさ」ジョーが呆れる。
「だから、お前が外に出さないのかって聞いてるんだよ!!」
「まさか、彼女を縛る理由は何もないよ、前にさ、コズミ博士の行きつけのパン屋さんで、アルバイトの女の子が欲しいと言う事があって、フランソワーズもパリにいた頃パン屋さんでバイトしていたと乗り気だったんだけど…」
「だけど?」
「彼女見たさに男性客が殺到し、営業出来なくなっちゃって…クビ」
「マジかよ!!」
スゲーな。それ、違う物で商売出来ねーか?
ジョーに睨まれた。
それはNGらしい…。
「じゃあよ、トモエと行ったウラサンドウ?」
「表だって」
「おぅ、そのオモテサンドウにでも連れていってやれよ!!」
「それがさ…」
ジョーが俯いた。
「雑踏は駄目なんだ。聞こえすぎるから、色々な声を拾ってしまって疲れてしまうらしいんだ。」
「マジかよ…」
「僕らは…戦い以外ではサイボーグとしての自分を忘れることが出来るけれど、彼女は日常生活までサイボーグとしての能力に苦しまなければならないんだ…」
「何とかならねーのかよ!!」
「考えたさ、色々、でも彼女が再改造を拒んでいればどうにもならない。」
ジェットはフランソワーズの寂しそうな笑顔を思い出す。
「くそっ!!」
ジェットはグラスをテーブルに置いた。
「とにかく」
ジェットはジョーの目を見る。
「フランソワーズは気持ちが閉鎖的になっている。早く何らかの手を打たないと取り返しのつかねぇ事になるぞ!!」
ジョーは何も言えずにいた。
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