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不協和音 5

前回作文に拍手ありがとうございます!

連載5話です。
続きからどうぞ。

拍手





一緒に電車に乗り、アズナブールは先に降りる。

「明日、待っていると伝えて下さい。」

電車が動き出す。
ホームを歩くアズナブールの姿が見えた。

落ち着いた雰囲気と、フランソワーズに対する情熱に、彼ならフランソワーズを幸せにしてくれる…そんな事すら思ってしまう。

電車の窓に写る自分の顔が、とても幼く見えた。

頼りなくて、約束すら出来ない男。
彼女を幸せに出来ない男。


雑誌に載ったフランソワーズの写真を思い出す。
自分の知らないフランソワーズ。
その頃のフランソワーズを知るアズナブール。
その頃…愛し合っていた…2人。

気づくと手で拳を作っていた。
自分が…彼女の側にいて…本当にいいのか…。



電車を乗換え、最寄り駅に着いたときには深夜だった。

バスなどないから、家まで歩く。

空を見上げると星が出ていた。
澄んだ真冬の空に満天の星。

顔を上げ空を仰ぐ


鼻の奥がつんとした。


自分が普通の人間なら…。
彼女を幸せにすると断言出来るのに…。
何の為に戦わなければならない?
誰のために…?


ようやくギルモア邸の敷地内に入る。

林を歩いていたら、向こうから誰かが歩いてきた。

夜中なのに?

よく見るとフランソワーズだった。

向こうも気づいたようだ。
走り寄ってきた。

「ジョー!!どうしたのよ!!何の連絡もなしに!!心配したのよ!!」

…いつものフランソワーズだ。

「何かあったの?携帯も通じないし…」

あ…。

電源を切っていたのを思い出した。
起動すると履歴がだ~っと埋まっていた。

「ごめん」

「何事もなくてよかったわ…さ、帰りましょ」
フランソワーズが背中を向けた。


「今、誰に会っていたか…わかる?」

フランソワーズが振り返る。

「え?」

「キミのよく知ってる人」

「わからないわ…」


「アズナブール先生だよ」


フランソワーズの顔が強張る。


「キミは彼の事をどう思っているかわからないけど、彼はキミとはまだ終わっていないらしい。」

フランソワーズはじっと俯いたままだった。

「何にせよ、きちんと話し合わないといけないと思う」

ジョーは一枚のメモをフランソワーズに渡した。

「明日…いや、今日だな…そのホテルのラウンジで待ってます…って」

それだけ言い終えると、フランソワーズに背を向け歩き出す。

フランソワーズはジョーの背中に訴える。

「待って!!ジョー!!私の話も聞いて!!」

「ごめん、今は何も聞きたくない…ひとりにしてくれる?」


その言葉に何も言えなくなるフランソワーズ。

一人家に向かう後ろ姿をただ見ているしか出来なかった。

アズナブール先生は、ジョーにどこまで話したの?
私が中途半端な態度を取っていたから…。

でも…何故ジョーと会ったの???

フランソワーズはジョーから渡されたメモを見る。
…きちんと…話し合おう…。





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