忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

不協和音 6

前回作文に拍手ありがとうございます♪

連載6話です。
続きからどうぞ。

拍手






とあるホテルのラウンジ。

アズナブールはじっと待っていた。
あの青年がフランソワーズに言わないわけがない…。

アズナブールもジョーの「何か」を感じていた。

フランソワーズが突然いなくなった事にも何らかの関わりがあり、その上で幸せに出来ない…と言ったのだろうと。


色々考えていたその時、入り口に待ち焦がれた人が入ってきた。
あの頃と何ら変わらない。
彼女が再びパリの舞台で舞ってくれる事を少しだけ願っていた。

フランソワーズはアズナブールの姿を見つけると、真っ直ぐ歩いてきた。

向いに座ると、ウェイターが持ってきた水を飲む。

「何故?」

最初に出た言葉にアズナブールは首を傾げる。

「ジョーに…彼と話をしたの?」

どうやら怒っているようだ。

「時間がなかったから…、キミが返事をしてくれなかったから…ミセス小松に相談したら、彼に連絡を取ってくれたんだ。」

「私も曖昧な態度を取っていた事は謝るわ。いきなりで気が動転していたから…でも。はっきりと言わなければあなたも先に進めないものね…」

フランソワーズは真っ直ぐアズナブールを見た。
アズナブールは初めてその瞳を自分の知らないフランソワーズだと思い知らされた。

「今になってみるとわかることがあるの…あの頃の、あなたとお付き合いしていた頃の私は、あなたに恋していたんじゃなく、恋に恋していたの…。」

あまりにも若かった…。

「今、あなたには何の感情もないわ。バレエももう舞台に立とうとは思っていないの。…出来ない…というのが正しいかもしれないけれど…」

「でも、キミはバレエスクールに通っているじゃないか!!」

「あれはレッスンだけよ。もう本格的にやることもないわ」

「…彼がそうさせるのか?」

アズナブールはバレエをやらないことがどうしても納得いかなかった。

「違うわ…私が…彼を支えたいと思っているだけだから…。」

「幸せに出来ないと言っている男でもいいのか?!」
思わず声を荒げてしまった。

自分は彼女を幸せにする自信があるのに…彼女は幸せに出来ないと言っている男と一緒にいたいという。
納得出来ない。

「幸せって形は人それぞれ違うんじゃないかしら?彼は私を幸せに出来ない…と言ったかもしれないけれど、私は充分幸せよ。これ以上望んだらバチが当たるくらいよ。」

アズナブールは絶句する。

幸せ…って何なのだ…と。
自分が揃えた最高のカードを蹴散らしてもあの男の所に行ってしまうのか…。
もう自分は彼女の思い出の一つでしかないのか…。

その時、フランソワーズの携帯に着信があった。

「ごめんなさい」

席を離れて電話に出て話をしている。

「え?アフガニスタンで地雷を踏んだ!?」
彼女の口から似合わない地名と単語が聞こえた…ような気がした。

電話を切ると、戻ってきて「ごめんなさい、急用なの。アズナブール先生もバレエ頑張ってください。さよなら」
と、一方的に話すと、足早にラウンジを後にする。

…水しか飲んでないじゃないか…。
フラれたのに、何故か笑えた。




PR

コメント

現在、新しいコメントを受け付けない設定になっています。

トラックバック

ようこそ!

namiの妄想作文置き場です。

サイドメニュー

パスワードは0009です。

お話はこちらで