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不協和音 8

前回作文に沢山の拍手ありがとうございます(*´ ˘ `*)
過去作文にも拍手ありがとうございます!


今回で終わりです。

お付き合いありがとうございました!

続きからどうぞ。



拍手





「あら?ジョーは?」

リビングでコーヒーを飲んでいるピュンマに、フランソワーズが問う。

「出掛けたよ、人に会うらしい」

「まだ怪我が治らないのに?」

「腕を吊って行ったよ。電車に乗って行ったようだし…」

「…そう」

フランソワーズは窓の外を見る。



羽田空港。

アズナブールは出国ゲートで待っていた。

離れていても解る。
日本人離れの容姿でありながら、ダッフルコートにマフラー、ジーンズとごく普通の若者の格好だった。
もう少し背が高かったら間違いなくモデルになれただろう。
手を吊っているのはこの前と違うが…。

フランソワーズが電話で口にした「アフガニスタンで地雷を踏んだ」が脳裏を過る。

「すみません、呼び出して」
アズナブールはジョーを出迎える。

「いえ、今日は休みだったんで」

「手…どうしたんですか?」

「…バイクで転びましてね」

「フランソワーズが…アフガニスタンで地雷を踏んだなんて口にしていましたんで…」

「まさか!僕はただのサラリーマンだ!」
ジョーが笑う。

「…フランソワーズに、あっさりフラれましたよ…」
アズナブールがふっと笑う。

「僕の事はもう過去のようです。」

「そうですか…」
それしか言いようがなかった。
フランソワーズが自分を選ぶ事はわかっていた。でもそれが本当にフランソワーズの為なのかと悩んだ。

何が幸せかなんて私が決める事。

フランソワーズの言葉を思い出す。

「もし、フランソワーズが本格的にバレエを再開したいと言ったら、いつでも頼ってください。ダンスのパートナーとしてなら…いいですよね?」

わざわざ自分を呼び出してこんな事を言うアズナブール。
フランソワーズの実力の凄さを思い知らされる。


「その時は…よろしくお願いします。」


「あなたは素敵な人だ、負けても悔いはないですよ」
アズナブールが微笑む。

「…アフガニスタンで地雷を踏むような男ですよ…ちっとも素敵じゃない」ジョーも微笑む。

アズナブールはしばらくキョトンとしていたが、大笑いする。

「実に面白い!!気持ち良く日本を去れそうだ。フランソワーズを泣かすような事があったら許しませんよ!!」

「わかりました」


しばらくアズナブールの後ろ姿を眺めていたジョーだったが、姿が見えなくなると、くるっと振り返り

「フランソワーズ、いるの解っているよ」と呟く。

「バレてたのね」
柱の影からフランソワーズが出てきた。

「ボクを誰だと思っているのさ」

「車で来たの。冴子さんが車どうするの…って連絡してきて…浅草から乗ってきちゃった。」

「うっそ!!大丈夫だったの!?」

「私を誰だと思っているの?」

2人顔を見合わせて笑う。

「折角だ、キミの運転でダイジンの店にでも寄るか」

「そうね、おごってくれる?」

「勿論」

2人は笑いながら空港を後にした。



~おしまい~

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