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フランソワーズはバルコニーに出た。
眼下に広がる夜景。
街の中心にはカジノがあり、ネオンが、眩く光っている。
所得税の納税義務がないモナミ公国には、沢山のお金持ちが移住するという。
港には豪華クルーザーやヨットが並ぶ。
フランソワーズはため息をつく。
彼と旅行で来れたならどんなにかいいか。
でも…この国は…嫌い。
「高けぇ‼︎」
備え付けの冷蔵庫からミネラルウォーターを一本出し、フランソワーズに見せるジョー。
シャワーを浴び、バスローブで頭にバスタオルをかけている。
「この水、日本円で千円だよ?ありえない」
「ヨーロッパはどこも水は高いわ。ここはさらに特別なのかもしれないわね」
淡々と話すと、再び夜景に目を落とす。
「いいかげん、機嫌直してよ」
ジョーが後ろからフランソワーズを抱きしめる。
ここに入ってから、王女の姿を見ていない。
自分から頼んでおいて、全く顔を出さない。
いつも側近というフィルという男が対応していた。
…ジョーによく似た青年だ…。
フィルは我々の事情も知っていた。
ヨーロッパからグレートとアルベルトがやってきた。
宮殿の中、晩餐会会場には、正装のピュンマとジョー。
フランソワーズは別室で監視。
アルベルト、グレートも外で監視となる。
部屋に吊り下げられている、ジョーのタキシード。
キャサリンと並ぶと素敵だろう。と、フランソワーズは思う。
明日彼はこの服を着て、キャサリンに会う。
私は…赤い服で影から護衛だ。
今回の協定をよく思っていない者からの犯行予告をモナミ公国は受けている。
我が国には、最高のSPがいるから、晩餐会は予定通りに行います。
先日王女が発表した。
「このミッションが終わったら…」
フランソワーズに向かいあう型でジョーがいた。
「パリ寄ってから帰る?」
ジョーが優しくフランソワーズを抱きしめる。
言葉に出さず、ジョーの胸の中でこくりと頷いた。
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