光が物体になる。
「あ」
誰もいないと思い、甲板に現れたジョーだったが、まさかフランソワーズとマユミがいる場に出てくるとは想定外で、かなりバツ悪く固まっていた。
その手にはイワンが抱かれていた。
イワンも非常に居心地悪そうにし、フランソワーズに向かって手を伸ばす。
フランソワーズがジョーからイワンを受け取ると優しく抱く。
マユミはその光景を黙って見ていた。
髪の色からして2人の子供ではない事は明らかだが、2人のあまりに自然なイワンの扱いに、マユミは言葉を失った。
「フランソワーズ、しばらく2人きりにしてあげよう」
イワンがフランソワーズに言う。
「レバンさん達はどうしたの?」
「彼のいる施設は破壊した。彼の記憶からぼくらの記憶を消してきた…そして彼女の記憶も消さなければならない」
「マユミさんは…ジョーの事を、ジョーとの思い出も消してしまうと言うの?」
「みんなの安全の為だ、また何を企むかわからない。彼女は危険だ。ジョーが全く彼女に揺らがなかった…とは言い切れないからね」
フランソワーズはしばらく2人を見ていたが、そっとイワンを抱いたまま、甲板を離れる。
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