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ビニール傘を差しながら、乗り換えをあきらめ改札をくぐる。
ここはどこかもわからないままとりあえず歩く。
電車から海が見えていた。
しばらく歩いていると海が見えた。
どんよりした雲が流れていく。
青空が顔を出してきた。
雨も止み、閉じたビニール傘を振りながら歩く。
人気のない海岸にぽつんと人が座っている。
さきほどの高校生だった。
「あら?さっきの・・・」
高校生も気づいたようだ
「おねえさん」
「これ、ありがとう。もう雨も止んだから」
高校生に傘を返す。
「いいのに、そっか、雨止んだからじゃまだよね」
「・・・そんなつもりじゃ・・・ねぇ、君、学校は?」
平日の始業後の時間、こんな所に高校生がいるのは不自然すぎる。
「さぼっちゃった」舌を出す。
「悪い子ね」
「おねえさんも何かワケアリに見えるけど?」
「そう見える?」
「こんな田舎町の無人駅にいる人じゃないもん」
「そうだ、ちょっと早いけれどご飯ごちそうするわ」
「え・・・いいの?」
「傘のお礼よ」
高校生は、ビニール傘とフランソワーズを交互に見る。
「わらしべ長者みたい」
高校生が笑い出す。
「わらしべ…何?私、何か変な事言ったのかしら?」
「ごめん、ごめん。おねえさん日本人じゃないもんね。ありがたく傘のお礼をお受けします。」
「まあ」
2人は顔を見合わせ笑った。
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