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高校生は地元の神社を案内する。
「夏祭りになるとここに屋台が沢山並んで、花火大会もあるんだ。」
階段を沢山上った先に境内があった。
まるで丘から街を見下ろすような景色があった。
「ここで花火を鑑賞するなんて素敵ね」
フランソワーズの少し前で街を見下ろす高校生の横に、一瞬浴衣姿の可愛い女の子の姿が見えたような気がした。
2人で参拝をし、おみくじを引く。
2人共「小吉」
「小吉が実は一番いい、なんて聞いた事があるんだ」
高校生が笑う。
2人共「約束を守れ」と書いてあり吹きだした。
「俺もこれからいろんなことあるんだろうな、おねえさんみたいに逃げ出したくなったりさ、そしたらここでおねえさんと話した事を思い出すよ。」
駅に戻るまでの道でも、2人は今日が初対面と思えないほど話をした。
フランソワーズはフランスでの事や、バレエの話。
高校生は学校生活や日常の事。
まるで旧知の友達みたいに。
電車が滑り込んできた。
夕方に近い時間になってきた電車の中は、午前中と違い混雑している。
学生がほとんどのようだ。
高校生は空いている座席を指差す。
「どうぞ」
「ありがとう」
吊革につかまる高校生を見上げる形になる。
まだ不完全で危い存在に見えるが、とっても頼もしくも見えた。
未来があるって羨ましくさえ思えた。
駅に着く。
「俺、ここの駅だから」
「今日は本当にありがとう」
「明日からちゃんと学校に行ってね」
「おねえさんこそ、ちゃんとパートナーさんに謝るんだよ」
「ありがとう、ショウ君」
名前を呼ばれ、恥ずかしそうに高校生が後ろ手を振った。
その仕草がジョーに似ていて、胸が熱くなる。
お互い「現実」に帰る。
帰ろう。
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