「ここは…どこ?」
フランソワーズは辺りを見回す。
反対の桜
ゆらゆらした景色
ここは…水の中?
でも、服は濡れていない。
薄暗い空間を歩く。
そこに人を見つけ安堵する。
「ジョー!無事だったのね」
確かにジョーだ。
顔も身なりも先ほどまで一緒にいた彼に間違いない…
でもその表情は先ほどの彼とは違う。
「キミか何を考えているのかわからないよ!」
「え?何?」
いきなり吐き捨てるように言われ、フランソワーズの身体は凍りついた。
「キミの感情が読み取れない、いつも解ったような顔をして、いつもいいわ、しか言わなくて」
「嫌なら嫌だと断ってくれよ!」
「ちょっと、どうしたの?」
いきなり怒りだしたジョーに、どうしたらいいのかわからず戸惑うフランソワーズ。
「キミの本心がわからないんだよ!わからないからどうしたらいいか不安になる。」
もしかしたら…
私と同じように彼も…
相手の気持ちがわからなくてもやもやしていたんだ。
私は…
そう思った瞬間
消えていた辺りの音が一斉に流れ込んできた。
気がつくと、元の混雑した桜並木にいた。
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