前回作文に沢山の拍手ありがとうございます。
な〜んか物語の核がボヤけているような気がしないでもないですが…。
連載5話です。
続きからどうぞ。

5
コズミ博士からの使いを済ますと、駐車場に向かう途中、大きな公園内を歩く。
整列している銀杏の木は、紅葉を始めていた。
芝生で昼寝をする者
読書をする者
肩を並べて歩くカップル
音楽を聞きながら歩く者
目の前の液晶画面に囚われながら歩く者
どれも今のジョーには無駄な事に見えた。
ただ、足を前に出して歩いていた。
「エリコ、妊娠したんだって~!!」
「え~?どうするの?」
「大学辞めて産むって、あと1年なのに勿体ないよね~!!」
並んだ女子大生達の会話が耳に入る。
考えた事は…なかった。
賑やかな公園を抜け、駐車場にたどり着く。
学会でイギリスに行っていたギルモア博士を空港まで迎えに行く。
イギリスではグレートが着いてくれていた。飛行機に乗ったとメールが来ていた。
ギルモア博士は、研究所をジョーと時々帰ってくるピュンマに任せ、自分は学会で世界中を飛び歩いている。
やりたかった事だったのかもしれないが、自分達が「人として」暮らせるようにと、最善を尽くしてくれていた。
すぐ帰って学会の成果を纏めたいという博士を、ジョーは空港のラウンジに連れていく。
家に帰る前に聞きたいことがあった。
「博士、これは何ですか?」
席につき水を飲んでいる途中で、ジョーが自分のスマートフォンを博士の前に突きつける。
博士はタイトルだけで察したようだ。
「…昔の…話じゃ…」
博士の話では、捕らえられていた科学者の一人が残したデータだという。
「もう終わった事だ、実際実験など行われなかったし…それにフランソワーズは…」
博士はしまった!!という顔をする。
「フランソワーズが…どうかしたと言うのですか?」
ジョーが強く詰め寄った。
博士は深呼吸をした。
「お前には言わないでくれと言われていたんだが…。」
博士は話始めた。
PR