前回作文と過去作文に拍手ありがとうございます(^_^)
連載9話です。
続きからどうぞ。

毒薬の成分はコズミ博士から聞いていた。
膨大な資料の中から探すのは時間がかかりそうだったが、ここに人が入ってハッキングされるなんて事は想定外だったのか、あっさり見つかった。
それと同時にこの研究所を作った理由も、毒薬の開発の理由も知ってしまう。
寒気がした。
こんな事が地下で起こっている事実を。
自分は人を助けたいから薬学の勉強をしている。
それは同時に人を恐怖に陥れる事が出来るのだと言う事を知ってしまった。
「フランソワーズさん、見つけました。このデータをギルモア研究所に送ります」
「ありがとう!」
フランソワーズは思わずフィリップの背中に抱きついた。
「フ!フランソワーズさんっ!」
嬉しいが、そういうんじゃない。
「早くこの研究所を壊しましょう!そうしないと大変な事に!!」
「わかったわ、私についてきて」
フランソワーズは軽い身のこなしで攻撃してくるロボットを銃で倒していく。
途中で何かを置いている
「それ、何ですか?」
「爆弾よ」
天使のような顔をしているのに…。
…なんてカッコイイんだ…
「じゃあ早く脱出しなければ」
「大丈夫よ、ちゃんと計算しているから」
2人は走りながら出口を目指す。
狭い階段を見つけ、そこを登るとあのマンホールに出た。
何もない廃工場。
この下にあんな恐怖が…
「さ、フィリップさん!急いで!」
フランソワーズに手を引かれ、廃工場を出る。
車に乗り込むとフランソワーズは思いっきりアクセルを踏み込んだ。
タイヤが鳴るほどの急発進。
サイドミラー越しに廃工場が爆破して燃えているのが見えた。
「あの研究所を作った理由は」
フィリップが話し始める。
「毒薬を撒き散らし、世界を恐怖に陥れ、高額な解毒剤を販売する為に作られた」
「どこかの企業かしら?」
「そこまではわからなかった。とにかく解毒剤の作り方だけを探していたから」
フランソワーズは大きく息を吐く。
「どうしてその技術を良い方に使ってくれないのかしらね」
「そうですよね、僕はそんな人間になりたくないです。困っている人を助けたいからこの勉強しているんです。絶対になりたくない…」
フランソワーズがハンドルから左手を離すと、フィリップの右手に重ねた。
「大丈夫よ、あなたならきっと沢山の人を助けてくれるはず。」
「ありがとう」
フィリップがわざとおどけるように
「さてと、そろそろコズミ博士が解毒剤を作って、ジョーさんが目を覚ましている頃じゃないですか?たーっぷりお礼を言ってもらわないと!」
「まぁ!」
フランソワーズが呆れたような顔をする。
「もう、いつになったら2人は仲良くなってくれるのかしら…」
「無理でしょ」
「もう、フィリップさんたら」
夜の闇の中、車のテールランプだけが進んで小さくなっていった。
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