「どうして人間じゃないなんて言うんですか?」
フィリップの言葉に、フランソワーズは黙ったままだった。
「それは…だって…そう思わないの?」
フィリップは毅然とした態度で
「そんな事一瞬でも考えなかった!ただ今まで僕が話をした中でフランソワーズさんを傷つけていたかもしれないと思っていただけだ!」
「フィリップさん…」
「フランソワーズさんは…何があってもフランソワーズさんだ!」
「大体の科学者は私たちの正体を知ると研究対象を見るかのような目に変わるの…だから…つい…ごめんなさい」
「でも…こんな時に不謹慎だけど、フランソワーズさんが秘密を告白してくれた事は嬉しいよ。」
前から小さいモヤモヤはあった。
何故彼女は日本にいるのか?
自分はコズミ博士に憧れ日本にやってきたが、バレリーナを夢見ていた彼女が何故生体工学の博士の元にいるのか?
そして博士の元にいる多国籍な人達。
それがフランソワーズの告白で全部綺麗に収まった。
「ジョーさんは何故毒薬を?」
「わからないの。私は教えている子供達のバレエの公演があって家を空けていたから…帰ってきたらもう…多分何か不穏な動きを確認して偵察に行ったのね。」
すれ違う車もなくなった。
目の前には不気味な様相の廃工場。
もう閉鎖されて何年も経過しているのだろう。廃墟のようだった。
「ここね」
フランソワーズは車を止め、外に出る。
「フランソワーズさん!待ってくださいよ!」
フィリップが追いかける。
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