いつもそう、ある日突然彼は私の前に現れる。
あれからどれ位会わなかったのかわからない。
お互い忙しさから連絡すらしていなかった。
「恋人」と呼んでもいいのかと思える位。
でも彼は笑顔で「久しぶり」と言う。
私に会いたいと思う日はなかったのだろうか?
私は…
でも彼の笑顔は隣にいた人の存在ですっと消えた。
バレエの千秋楽を終え、バレエの師であるアズナブール先生と食事に行く所だった。
「邪魔みたいだから後で連絡するよ」
彼が私の前に現れる時は「よくない知らせ」を持ってくる時。
人間らしい生活をしている時は、自分の存在は思い出させるだけでしかないと、私の前には現れない。
本当に私の事を?
翌日彼を呼び出した。
アズナブール先生の事をバレエの師だと告げると「そう」と興味なさげに言った。
彼の心が読めたらいいのに…
読めたらきっと傷つくだけなのだろうけれど。
「何かあったの?」
そう聞くと彼はため息をついた。
「キミを呼ぶかどうか悩んだんだけれど…」
コーヒーカップを持つ手を眺める。
彼に守られていた日を思い出す。
お互い死線を越えて絆は強かった…はず。
「スペースウォッチコマンドが何者かに破壊された、何者かが地球に近づいてきている。他の仲間はコズモ博士の研究所に向かっている…」
彼は私を見る。
「キミが今の生活に満足しているなら来なくてもいいんだ…いちおう声をかけただけだから」
いちおう…
私を戦いに巻きこませたくない。
そう言いたいのは判る。
あなたは優しい。
でも…
本当に私の事を?
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