前回作文と、過去作文に拍手ありがとうございます(^-^)
自分に都合のいい超銀。
あれ?超銀どこ行った?感ですか…
続きからどうぞ。

幸せな筈なのに
彼と一緒に暮らしたいと、離れている時はいつも思っていたのに…
生きていてくれたらとあの時消えかけた心の中の燻りが段々と大きくなっていく。
多分
こんな何もない空間にひとり取り残され、考える時間だけを沢山与えてくれた彼の所為…
散らかす物がないのだから、掃除もすぐ終わってしまう。
残された時間、ひとり考えるだけ。
夜になるときちんと帰ってくる彼の為に、夕飯を作る。
どれも美味しいと食べてくれるし、その日起こった出来事を楽しく語ってくれる。
でも…
やっぱり…
ある日何気なく見ていたテレビにアズナブール先生が映っていた。
生徒達に指導をしている先生の姿をぼんやりと眺めていた。
彼が帰って来ていた事に気づかなかった。
別に何の感情もなく、画面の中で踊っているアズナブールを見ていた。
急に画面が真っ暗になり、ハッと見上げると、リモコンを持ったジョーの姿だった。
「お、おかえりなさい、早かったのね、今、夕飯の支度をするから…」
慌ててソファーから立ち上がろうとした私を彼が制した。
「いいよ…ちょっと話そうか…」
私を座らせると、彼もソファーに腰掛ける。
「ボクといると面白くないみたいだよね」
「え?」
何を言っているのだろう…何か気に触る事をしたかしら…。
「キミはまだアズナブール先生の想いを捨てきれないでいるんじゃないのか?」
「アズナブール先生…?」
だってあなたはパリでアズナブール先生の話をしても興味無い態度をしていたじゃない!
「ここに来てからキミはずっと心ここにあらずだ。そんなにアズナブール先生の事が気になるなら、フランスに帰ればいいじゃないか!」
「そんな…」
言葉が出なかった。
心の中の燻りが段々大きくなってくる。
「あなたこそ…」
言ってはいけないといつも心の隅にしまっていた。
でももう…限界。
「女王の事をまだ想っているじゃない!
」
彼は悲しそうな顔をして深くため息をついた。
消したくても消せなかった。
何度も思い出してしまう。
彼と女王が抱き合っている情景を。
許せないのに、黙っていた。
忘れるなんて…ムリ。
「言い訳はしないよ、したって今のキミじゃ話を聞いてくれそうもない。」
冷静な彼に尚腹立たしくなる。
「もういいわ、わかりました」
私は荷物を纏め、マンションを後にした。
彼は追っては来なかった…。
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