2
俺が初めてフランソワーズに会った時…。
アルベルト自身も絶望の中にいた。
初めて「仲間」に会わされた時の事は今でも忘れる事が出来ない。
特にフランソワーズの表情のない顔が忘れられなかった。
こんな若い女の子まで…と、ショックを受けたものだ。
あの時の事を考えれば、随分と明るくなったものだ。
奴の存在があったのが一番大きいだろう。
「俺たちの事はジョーから聞いていますか?」
「ええ、皆さんも辛い思いをされたと…。」
受け入れる側も話す側も勇気がいっただろう。
ジャンはフランソワーズの事だから、ジョーはフランソワーズの兄だから、真剣に話をし、聞き入れたのだろう。
家に着くと、真っ先にギルモア博士が出迎えた。
博士は謝罪をするつもりだったようだが、「身体」を作った科学者とひとつ屋根の下で暮らしているなどと、話す必要はないと思い、我々を助けてくれた恩人と紹介する。
暫くすると、出掛けていたフランソワーズが帰宅する。
「兄さん!!」
「いやぁ~急に休暇が取れてね、ほら、ジョーもいつでも遊びに来てくださいって言ってたし」
「来るなら前もって連絡してよ!!ジョーは博士の知り合いの研究室に入っているから、今日は遅いわよ!!」
大歓迎してくれるのかと思えば、随分と冷たい対応に、少しがっかりなジャン。
でも夕飯には、「仲間」の中国人が中華料理をご馳走してくれた。
ツンツン頭のアメリカ人や、迎えに来てくれた銀髪のドイツ人、黒人のアフリカ人が日本酒を飲んでいる。
中国人と一緒に忙しく動いているフランソワーズに「いつもこんななのか?」と聞けば「まだいい方」と。
イギリス人とネイティブアメリカンは国に帰っているからと言う。
もう一人ロシア人がいるけど寝てるわ。と。
一国の軍隊にいる人間には理解が出来ない多国籍な空間…。
みんな楽しそうだ。
そして…あたたかい。
「…あ、ジョーが帰ってきたわ。」
何故解る?
「車のエンジン音」
…。
フランソワーズは玄関に向かう。
まもなく
「ただいま~!!」
と、ジョーが帰ってきた。
フランソワーズから事情を聞いたのか、走ってリビングに入ってきた。
「お、お義兄さん!!」
「おぅ!!ジョー、邪魔してたぜ!!」
「来るなら連絡してくれれば…。」
そんな会話をしているうちに、ささっとジョーのご飯の用意をしているフランソワーズをじっと見つめるジャン。
「俺には何もしてくれなかったな…」
「え?何か?」
心で呟いたつもりが声に出ていたらしい。
ジョーに聞き直され、焦るジャン。
その後も色々な国の酒の登場に盛り上がり飲みまくり、一人、また一人潰れていくのだった…。
PR