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時間は真夜中だが、とても眠る気にはなれなかった。
ランは朝まで起きないというから、自分達も休めるのに…。
色々な感情がフランソワーズの胸を騒がせる。
騙しきれないみんなの態度
ジョーがランにしていた「茶番」
何より何故自分だけ作戦を知らされなかったのか
そして女として、ジョーが許せなかった。
ランがジョーを見るときの瞳を思い出す。
人の気持ちを欺くなんて…。
たとえスパイでも…。
「ジョーに怒るのは筋違いじゃないのか?」
イワンがフランソワーズの元にふわふわやってきた。
「作戦から私を外したのは何故?」
指令隊長に直訴する。
「同性だから…かな?ジョーを使うって事もあったし。ジョーはフランソワーズに伝えた方がいい。と言ってたんだけどね」
「いつ気付いたの?」
「連れて来た日の夜、目が覚め、理解した。怯えるランを寝かしつけたジョーを呼んだ。そこで作戦を考えた。」
「じゃあジョーは?」
「そのときからスパイだと知っていた。」
私より上手ってことね…。
「ジェットは哲学書読み始めるし、ピュンマは夏の終わりを探しに行き始めるし…みんな下手なのよ、余計怪しかった」
イワンはふっと笑う。
「まさかキミが真相をつかもうと動き出すとは思わなかったよ、キミが見つける前に黒幕を見つけないと、今までの苦労は台無しだと」
「そうなの」
感情なく、冷たく言う。
「黙っていた事は謝るよ、ジョーを許してやってよ、キミの為でもあるんだから」
「女の子を騙すのが、私の為なの⁈」
「一番狙われてたのは…キミの設計図だったからだよ」
フランソワーズはドキっとした。
女性のサイボーグ化の成功が、科学者達の間でも知られ始めているらしい。
設計図だけでなく、フランソワーズ自身にも危険が及ぶ可能性も低くは無くなってきている。
だからこそ、そのような敵には、懐に入って倒さなければならない。
イワンはもっともらしい事を言う。
でも…。
感情は、そんなに簡単じゃないのよ…。
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