7
ジョーは毎日のようにランをどこかに連れて行く。
海岸道路の駐車帯に車を止め、海岸に出る。
「私、ここにお世話になりっぱなしでいいのかしら…なかなか記憶も戻らないし」
ランが砂浜に座ったジョーの隣に座る。
「いいんじゃないの?別に誰も迷惑だと思っていない」
「そうかしら?」
「ん?」
ジョーがおやっといった感じでランを見る。
「フランソワーズさん…私の事よく思っていないようですよね…」
「そうかな?」
「私はフランソワーズさんみたいに強くないから…だから記憶を失くしてあんなところに捕えられていたんだと思うの…強かったら…こんな事には…」
「強いかな…?」
「え?」
「フランソワーズが強いって、どうして思うの?」
ジョーが真剣に聞いてきたから、ランも戸惑う。
「私を助けてくれた時の彼女…とてもカッコ良かった…」
「僕には強がってるだけに見えるけどな…彼女も普通の女の子だ」
「そう…見えるの?」
「まぁね」
「…よく知ってるのね」
「長い付き合いだからね…」
ジョーは遠く海を眺めていたが、急にランの方を向く。
「そしてキミも…弱くなんてないんじゃない?」
「え…」
何かを見透かされているようなジョーの目を見ていられなくて目を逸らす。
海はどこまでも青く広がっていた。
「あの海の向こうに…」
ランが言いかけハッとする。
「海の向こうが…何か?」
ジョーが聞き直す
「ごめんなさい…何もないわ…記憶の断片なのかしら…ふっと…」
俯いてボソボソ話すランを、ジョーはじっと見ていた。
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