13
ギルモア博士と早坂博士が帰国した。
トモエとのデートも博士たちを迎えに行くまでの暇潰しだった。
シブヤを選んだのはトモエだった。
シブヤはコズミ博士の研究室があるからよく行くが、こんな街中は車で素通りする位だ。
手術を決心してくれたら…。
研究室に寄った帰りにでも一緒にコーヒー位は飲めるのになぁ…なんてぼんやり考えていた。
「島村さん!!」
トモエに呼ばれ驚く。
「何考え事してるんですか?」
「いや…博士達、今どこにいるかな~って」
「ウソ!フランソワーズさんの事考えていたんでしょ?」
図星だ…。
女子高生…侮れん。
「島村さんとフランソワーズさんってどういう関係なんですか?」
トモエは朝フランソワーズにした質問をぶつける。
キョトンとしていたジョーだが、ふっと笑うと
「自分の命を引き換えにしても守りたい…大切な人…かな?」
トモエはハッとする。
ここに自分の入り込める隙間なんてないのだと。
「…私、勉強頑張って博士号を取って、お父さんの研究室を継ぎます。それまで待っていてくれますか?」
「何を待つの?」
「一人前の女になって、島村さんにもう一度アタックします!!」
「楽しみに待っているよ」
「もう、子供扱いはやめてください!!」
その後2人は空港に博士たちを迎えに行った。
ダイジンの店で夕食を食べることになっていたので、博士たちとトモエを降ろす。
先に店にいたコズミ博士から、フランソワーズを使いに出した話を聞き、ジョーは一旦戻り歩いてフランソワーズを探していたのだった。
「みんながダイジンの店で待っているから、とりあえずシャワーを浴びよう。」
「行きたくないわ」
「どうして!!」
「とても疲れたの、あなただけでも行ってきて」
ジョーは黙ってフランソワーズの手を握り、家に向かって歩き出す。
もう傘をさすのをあきらめたようだ。
濃紺のシャツが濡れている。
もう、何もかも疲れたの。
私は心まで普通じゃないのかしら?
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