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家に誰もいないからか、ジョーは物怖じせずシャワー室へフランソワーズを連れていく。
2人でシャワーを浴びるのは初めてじゃないけれど、どうも今は穏やかな感じではない。
まだ怒っているようで、無言のままシャワー室に入り、身体と髪を洗ってくれた。
いつもは優しいジョーが、ぶっきらぼうに洗ってくれる様子が、過去の思い出とリンクした。
子供の頃、近所の男の子たちとよく喧嘩をしていた。
友達に意地悪をしたりしたガキ大将相手に喧嘩した。
泥だらけで帰ってくると、兄が怒りながら身体や髪を洗ってくれた。
「お前は女の子なんだから、男の子と喧嘩なんてするものじゃないんだ!!」
涙がこぼれる
「…兄さん…」
思わず呟いた。
シャワーを浴び、着替えをし、
ジョーはフランソワーズに暖かいココアを入れる。
夏とはいえ、どしゃ降りの雨に長時間さらされた体にはとても優しく、そして暖かかった。
流れる涙も拭うことを忘れ、ココアを飲んでいた。
ジョーはフランソワーズから離れた所で携帯を取り出すと、何処かに電話しているようだ。
「…だったら、ボクが行ったのに、彼女今、神経が高ぶっていて、いつも以上に余計な音を拾っちゃうんですよ。少し休ませますから、そっちは始めて下さい。」
コズミ博士に電話をしているようだ。
ジョーに責められて「悪かったのぉ」とシュンとしているコズミ博士の姿が浮かぶ。
部屋に行き、ベッドに横になる。
「もう大丈夫だから、あなたはダイジンの店に行って。」
「テイクアウト頼んであるから」
「久しぶりに博士が帰ってきたのよ、早坂博士だってあなたと議論したいでしょ?トモエさんだって…」
キスをされ、言葉を封じられる。
「少し眠った方がいい、側にいるから」
そう言うとフランソワーズの手を握った。
握った手の暖かさと、疲れからか、すぐ眠りに落ちた。
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