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あれから3日経ったが、ジョーの居場所は依然としてつかめなかった。
フランソワーズは毎日祈る。
無事でいますように…と。
ピュンマが研究所のエントランスでジョーが誰かと話をしていたという情報を聞いてきた。
黒髪の女性だった。…と。
ジョーは顔見知りのようだった…と。
そして女性は泣いていた…と。
フランソワーズの心がザワザワと音をたて始めた。
恐らくその女性と一緒なのだろう。と。
フランソワーズは、考えれば考えるほど自分を追い詰めていた。
あの時…話を無理にでも引き出せていたら…。
悔やんでも、もう遅かった。
ジョーの部屋に入る。
余計な装飾品は一切ない、シンプルな部屋。
いつでも自分の痕跡が消せるような…。
多分それは定まった住まいのなかった彼が持つ習性のようなものだったのだろう。
殺風景な部屋なのに、ジョーがいなくなった事でさらに暖かみを無くしていた。
フランソワーズは溢れる涙を堪えきれずにいた。
ふとベッドの下に丸めた紙屑のようなものを見つけた。
くしゃくしゃに丸められたそれを開いてみると、ジョーの字で何かが書いてあった。
55゜45'N
37゜37'E
何かの座標のようだった。
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