6
緊急事態にジェットとグレートも合流した。
ドルフィン内では、体に爆弾を付けられた人達の爆弾摘出作業が博士によって行われていた。
ジョーと同行していた黒髪の女性も身体に爆弾を付けられていた。
爆弾は小さなもので、摘出もそう難しくはなかった。
ドルフィンのコックピットに仲間が集まる。
「しっかし、ひでーことするよな」
ジェットが呆れていた。
「お前の親父さんの研究施設なんだろ?親父さんの居場所はつかめなかったのか?」
グレートが静かに問う。
「父親は既に死亡している」
あまりに淡々と語るイワンに、フランソワーズは耐えられなくなり、ゆりかごに手をさしのべ抱き締める。
「これだけの大掛かりな研究施設だ。ガモ弟子達をを誘拐ってだけで逮捕して、もしすぐ釈放されたら…」
ピュンマが案ずる。
「弟子達は洗脳しておいたから、もう役には立たない。」
イワンが相変わらず淡々と言う。
「…目的は…何だったんだ?」
アルベルトが口を開く。
「脳改造による超能力者の量産、産業スパイとして世界各国に送り込むために…。」
黙っていたフランソワーズが話し出す。
「働かされていた研究員の家族がまず実験台にされようとしていた。ジョーと一緒にいた女性の脳を調べたら、過去のデータにジョーが出てきたらしく、彼を捕まえるよう指示された。
ジョーは彼女と何らかの知り合いで、彼女と捕らえられた人達を助けるために、単身でロシアに乗り込んだ。
研究員達は、ジョーの脳の情報が欲しかった。
ジョーはイワンのお父さんの研究施設と知ると、イワンを守るために…」
ファイルの内容を淡々と話していたフランソワーズが言葉を止めた。
「自分の脳の記憶を…消したの…」
一同がざわめいた。
「そんな事が出来るわけないじゃないか!!」
ジョーの豹変ぶりに戸惑っていたピュンマが怒鳴る。
「…出来たんだな…アイツには…」
目の当たりにしたアルベルトが悟る。
「ジョーだって、脳を改造されている、無意識ではあるが、危険を感じて記憶を飛ばしたんだと思う。後、僕を守るためだけじゃないよ、フランソワーズ。」
イワンはフランソワーズの顔を見る。
「君たち…特にキミの為だと思うよ、同行していた女性に爆弾が仕掛けられていた話で思ったんだ、フランソワーズとリンクしたんだ…と。キミに危険が迫れば今の生活を続けられないと、キミの記憶を消したんだよ…。」
「…そんな事ってあるのかよ…」
グレートがうつむいた。
フランソワーズは涙を流す。
私を守るために、私との思い出を消してしまうなんて…。
そんな…事って…。
PR