前回作文と過去作文に沢山の拍手ありがとうございます٩(^‿^)۶
もうすこーしお付き合いお願いします!
続きからどうぞ。

まだ日の出前だった。
昨晩の事で眠れなかったフランソワーズは、砂浜に座り海を眺めていた。
夜行虫騒ぎが収まり、いつものように穏やかな海と誰もいない静かな海辺。
青く光っていた昨晩の光景と、人の中にかき消された彼の後ろ姿。
夢を見ていたようで
でも夢ではなく
彼の存在がどれほど自分を元気つけていたのか今更知る。
「みんないなくなっちゃうな…」
ぽつんと独り言。
真っ暗だった空の色がうす青くなって来る。
水平線がだんだんとオレンジ色になる。
空のグラデーションをしばらく見つめていた。
「この時間ってマジックアワーって言うんだって」
「え?」
フランソワーズは声のした方に振り返る。
今までそこには誰の気配もなかった。
自分一人だったはずだ。
振り返った先にいた人物に、フランソワーズの思考がすべて止まった。
振り返った体制で瞬きもせずただ目の前の人を見る。
「ただいま」
目の前の人は笑顔でそう言った。
「・・・ジョー」
ようやく唇が動いた。
声を出すこともやっとだった。
「やっと帰ってこれた」
フランソワーズは立ち上がると、ジョーと向かい合う。
あれからどれ位経ったのだろう。
彼もジェット同様、あの時と何にも変わらない姿でそこにいた。
心の中にあった喪失感が溶け出していくような
何か暖かいものが流れ込むような
ジョーがフランソワーズを優しく抱きしめた。
「自分でも何が起こったのかわからない。気がついたらここにいたんだ」
フランソワーズは顔を上げる。
ジョーがニコッと笑う。
「マジックアワーだね、本当に」
フランソワーズはジョーに抱きしめられ、ジョーの温もりを感じていた。
そしてもうひとつの「奇跡」を確信していた。
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