前回作文に拍手ありがとうございます(^-^)/(^-^)/
4話です。
続きからどうぞ!

4
ホテルに着き、シャワーを先に浴びたフランソワーズは、寝ていないこともあり、ベッドに横になるとすぐに眠ってしまった。
シーツを掛けて寝顔を眺めていたジョーだったが、ネクタイを緩め、携帯を取り出し、電話を掛けた。
パリの夜は寒い。
エッフェル塔が黄色くぼやけている。
ジョーはコートのポケットに手を入れる。
エッフェル塔の側にあるワインバーに入る。
そこには先客がいた。
「すみません、待たせちゃって」
マフラーとコートを脱ぎながらジョーが言う。
「フランソワーズはどうした?」
先客はジャンだった。
「疲れていたんでしょうね、寝ましたよ」
「そうか…」
ジョーがジャンの隣のカウンター席に座り、シャンパーニュをオーダーする。
「呼び出して悪かったな、お前も疲れているだろう」
「機内で寝てきましたから」
ジャンは煙草に火をつけると、フーッと煙を吐き出した。
「俺の躾が悪かったのかね~」
ジョーはくすっと笑う。
「彼女は解っているんですよ、おめでとうと言いたい自分と、お兄さんを取られた嫉妬と、自分の居場所がなくなる寂しさの中でもがいているんですよ」
「ずっと2人一緒だったもんな…」
ジャンが昔を懐かしむように遠い目をした。
「ジュリアさんは?」
「今日は自宅に帰ったよ、アイツはフランソワーズが行方不明になってからずっと俺を支えてくれた。フランソワーズが会いに来た時には偶然いなかったが、その後フランソワーズが日本に帰るまで姿を隠したんだ」
「何故?」
「余計フランソワーズを動揺させたくなかったんだろうな…。今日初対面だったが、アイツには沢山フランソワーズの話をしたから、もう家族みたいな気分だったんだろう。」
「わかりますよ、彼女の気持ちの優しさも、フランソワーズもちゃんと解っていましたから」
「…そうか」
「滞在中に何とか素直になってくれれば…と思っているんです。」
「悪いな…お前に損な役やらせて」
「いえいえ、お安いご用です。彼女には沢山貸しがありますから」
そう言ってジョーは笑った。
時間も遅くなり、店を出た。
明日アパートに行く約束をし、ジョーはホテルに戻った。
シャワーを浴び、バスローブのまま、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、飲みながらベッドに向かう。
ベッドに行くと、フランソワーズが上半身を起こしこっちを見ていた。
「ごめん、起こしちゃった?」
ジョーはベッドに腰掛け、フランソワーズの側に行く。
「何処に行っていたの?」
「近くのワインバーで、お義兄さんと飲んでた。」
「兄さん…何か吹き込んだんじゃないでしょうね?」
ジョーは軽く息を吐くと、立ち上がり、飲み終えたミネラルウォーターをテーブルに置き、ベッドに戻る。
「お義兄さんがそんな人じゃないって事、キミが一番よく知ってる筈だけど?」
若干非難も含みジョーが言う。
「私…おかしいわよね…」
フランソワーズが俯く。
カチューシャを外した髪が前に流れる。
「パリに来てから人の悪いところ探したり、兄を疑ったり…」
「…でもさ」
ジョーがベッドに上がり、フランソワーズの顔に近づく。
「これだけは解って欲しい、お義兄さんも、いずれ家族になるジュリアさんも、キミの事を愛している…」
ジョーは俯いたフランソワーズの顎に手をかけ、上に向ける。
軽く口づけると
「もちろん、ボクもね」
思いを込めて甘い甘いキスをした。
フランソワーズがジョーの背中に手を回す。
それが合図のように、ジョーが動く。
視界のすみにエッフェル塔が輝いていた。
ただ黄色くぼやけているように見えていたのに…。
金色に見えたのは錯覚なのだろうか…。
そんな事を考えながらフランソワーズの身体にキスを落とす。
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