目を覚ますと見慣れない部屋だった。
…私は…。
「気がついたのね」
「あなたは…私はどうして…」
「あなた、海岸で倒れていたの」
「…え?」
段々と思い出して来たらしい。
「どうしたの?こんな夜遅くに1人で危ないでしょ?」
「人を…探していたんです。この辺りで見かけたという情報を聞いて…」
「あなたの名前を聞いていなかったわ。私はフランソワーズ。」
「私は…ミチ」
「ミチさんね…。誰を探していたの?」
「婚約者を…半年前に事故に遭い、行方不明になりました。最近この辺で見たという情報を聞いて、生きていると確信したのです。」
「それでこんな遅い時間に…」
「暗くてよく見えなくて、足を踏み外してしまったようです。助けてくださってありがとうございます。」
「転んだ時に頭を打ったようだけど、異常ないそうよ。うちにはドクターがいるから、安心して。婚約者を探すのは陽が昇ってからの方がいいから…朝までここで休んで。」
フランソワーズはミチに布団を掛ける。
行方不明の婚約者を必死に探すミチの姿が、今の自分と重なってしまう。
「早く見つかるといいわね」
ミチはフランソワーズを見て微笑んで頷いた。
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