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帰宅してからもいつもと変わらないジョーの様子に、あの光景は何だったのだろうと思う。
彼女が…日本に戻っているとは。
何年か前に狙われた恋人を助ける為に、ジョーが命がけで安全な国に逃がした筈だったのに…。
彼女…マユミさんはジョーの…。
ジョーは自分の過去の事になると、私達を関わらせない。
それは迷惑をかけるからとかではなく、関わって欲しくないのだろうとフランソワーズは思っていた。
でもその様な時にはいつも危険な目にあってしまう。
だから放っておけない。
「どうしたの?ぼんやり星なんて見ちゃって」
急にジョーに話しかけられ、フランソワーズはびくっとした。
「ごめん、驚かせた?」
いつもの彼だ。
今日マユミさんに出会った動揺など何処にもない。
「ちょっと考え事していただけよ…あ、そうだ。明日暇?」
「ごめん、用事あって。何かあった?」
「ううん、大した用でないからいいの」
明日ジョーはマユミに会う。
フランソワーズはテラスの手すりをぎゅっと握った。
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