「じゃ、行ってくるよ」
ジョーが靴を履き、背中を向けた。
「あ、ちょっと待って」
フランソワーズはジョーのパーカーのフードを直す。
「ありがとう」
「行ってらっしゃい」
笑顔でジョーの背中を見送る。
車が出て行ったのを確認すると、フランソワーズはリビングに戻らず、地下に向かう。
地下の研究室には先客がいた。
「フランソワーズもやるなぁ」
ピュンマがいた。
「え?何を」
「トボけなくてもみんなお見通しさ、ジョーに発信機着けただろう?」
「…あなたには隠し事は出来ないみたいね」
フランソワーズはピュンマを見ることなくモニターを起動する。
「ジョーは自分の事になると自分1人で解決しようと躍起になるからな、でも結果僕たちが助けに行っている訳で…」
「マユミさんに会いに行ったのよ…彼女が日本にいるのよ、きっと何かがあるのよ」
「そうだね、懐かしいから久しぶりに…って感じではなさそうだね」
「懐かしいから久しぶりに…だったら心配しなくてもいいんだけど…」
「本当に?」
ピュンマの言いたい事は分かっている。
でもいちいち言葉に出すのは嫌だった。
「キミはきっとジョーが何かを感じ取ってマユミに会いに行った…そう思っていたいんじゃない?」
「…」
「まぁ色々ワケありの元カノみたいだし、ジョーが今の生活を捨てるとも思えない」
じゃあ黙って出かけなくても
マユミさんに最初に接触した時に嘘をつかなくても。
フランソワーズは心の中で繰り返す。
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