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研究所は騒がしかった。
イワンがジョーを襲った人間を特定したからだった。
その人間をどうこうしたって、ほんの一片に過ぎない。
でも自分達を危険に晒す事は解決しておかなければならない。
イワンとジェットが現場に向かう事になった。
仮眠から目覚めた博士に、ジェットが報告する。
「…後、ダイジンがヨコハマから向かえるそうだし、グレートが日本に向かっているから後で合流予定、フランソワーズは、さっき仮眠取るように言ったから、目覚めたら連れて行く」
「ジョーがいないと…大変じゃのう」
博士とジェットがメディカルルームの扉を開ける。
2人一瞬固まった。
「今日はここを開けると愉快な事が起こってるんだが」
ジェットが苦笑いする。
「フランソワーズは…このままにしておいてやった方がいいじゃろうて」
博士は嬉しそうに顔を綻ばせる。
「しかし…その体勢、フランソワーズ寝苦しくねぇのかよ」
何を言っても目を覚ます気配はない。
ジェットは呆れた顔してメディカルルームを後にした。
博士はジョーの脈を確認すると、フランソワーズに毛布を掛けた。
ベッドに寝ているジョーは、顔だけを左に向け、脇の椅子に腰掛けたまま、上体をベッドに伏せたようなフランソワーズは、ジョーの顔に自分の顔をつけるように眠っている。
2人のおでこはくっついている。
話しながらいつの間にか眠ってしまったのだろう。
2人とも幸せそうな寝顔をしていた。
「いい夢を見ているといいのじゃが…」
博士は2人を起こさないよう、そっとメディカルルームを後にした。
~おしまい~
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