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ジョーは自分の携帯に入っていた写真を眺めていた。
青い空と青い海をバックに、白いワンピースを着た女性が振り返っている。
髪とワンピースが風になびいている。
とても綺麗な写真だった。
とても幸せそうな笑顔だった。
撮影したのは自分だろう。
またノックの音がした。
今、見ていた写真の人だ。
写真の笑顔は何処にもなかった。
「ご飯、持ってきたわ…」
今、リビングでご飯を食べるわけにはいかないだろう。
ジェットの暴れっぷりを見たら、ジョーの顔を見るなり何をするかからない。
皆が制した本当の理由は、ジョーがサイボーグという自覚が無い事だった。
力加減を誤れば相手を殺してしまいかねないからだった。
ジョーはフランソワーズをじっと見る。
先程とは少し違う目だった。
記憶の糸口を探るような…。
フランソワーズは自分に関係している…それに気づいたようだ。
食事をテーブルの上に上げているフランソワーズにジョーは問う。
「キミと僕はどういう関係なの?」
フランソワーズはジョーのいる方向に顔を向けた。
抱き締めたいのに、触れたいのに…。
いつもは近かった距離が遠い…。
「あなたは私の大切な人よ」
笑顔で言えていただろうか…。
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