前回に拍手ありがとうございます。
まだまだ続きます。お付き合いよろしくお願いします^_^
続きからどうぞ。

10
ジョーは宮殿内を歩く。
あの頃のように内部に敵が?
外にいたグレートもアルベルトも、不審な人物など見つけられなかったと言っていた。
フランソワーズを刺した人物も、その後ピュンマが追ったが、宮殿内で行方をくらませた。
いったい…誰が…。
ジョーは頭を悩ませながら歩いていた。
ふと階段の踊り場にいる人に声を掛けられた。
「具合は…どうですか?」
フィルだ。
「意識を戻しました。怪我も深くなく、僕が治療できたくらいですから、少し休めば大丈夫でしょう。」
「そう…よかった。」
話は終わったと思い、階段を下り始めたジョーに、フィルは再び声をかける。
「やはり、私はあなたの身代わりなんだと思います。」
何を言っているのか理解出来ずキョトンとしているジョーにフィルが続ける。
「あなたを見た時思いました。王女が私を初めて見た時に言った言葉を」
「何を言われたのですか?」
「甘くて苦い…と」
甘くて苦い?何だそれは?
「あなたを見た時、甘くて苦いという言葉の意味がわかった気がしました。」
ジョーは再び階段を登り、フィルと同じ目線になる。
「あなたは…普通のフランス陸軍出ではないですよね。」
「特殊部隊にいました」
「王女の側近になったのは…」
「ここが故郷なんです。だからこの国を守りたくて、フランス特殊部隊で、腕を磨いてきました。
王女様は私を側近に置いた。それはあなたの身代わりってだけで…」
フィルは悔しそうに顔を歪めた。
「この国は…」
ジョーの言葉にフィルが顔を上げる。
「まだ安全ではない、僕の勘でしかないけれど、内部に王女の政治をよく思っていない者がいるようだ。
組織のスパイ…という事も考えられる。
あなたが…いや、あなただからこそのこの国の守り方があると思う。
王女は常に狙われているからね。」
「王女はあなたも側近として置きたかった。そうしたら私はお役ごめんだな…と」
フィルは寂しそうに笑った。
「ここに僕の未来はない」
ジョーが静かに笑う。
「あなたは…僕の変わりなんかじゃない、あなたはあなただ。王女もわかってくれる日が来ると思います。」
「ありがとうございます」
ようやくフィルが笑顔になったような気がした。
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