「…ここは…?」
フランソワーズは、何も見えない真っ暗な所で眠らされていたようだった。
身体を起こすと、目を凝らす。
窓もない何もない空間。
誰もいないようだ。
裸足で術着のみの姿に戸惑う。
「こんな格好で…」
恥ずかしい。
誰もいないのにそんな事を考えた。
何故自分がこんなところにいるのか、記憶を辿ってみる。
最後の記憶は…。
ジョーに抱き締められた温もりだった。
急に孤独を感じる。
誰かが入って来た。
「目が覚めたようだね」
「あなたは…?」
一人の男が入ってきた。
「着いてきてもらおう」
自分が何者なのかも語る気はないらしい。
フランソワーズは黙って男の後を歩く。
気にはなっていた。
見えないし聞こえない。
ここは普通の場所ではない。
脳波通信も通じない。
無防備な格好も尚心細い。
「ジョー…助けて」
言葉は届かず虚しく消える。
別の部屋には4人いた。
「彼等に記憶はないかい?」
男がフランソワーズに問う。
「…わからないわ…」
見たことは…ない。
4人は男の顔を見ると怯えているようだ。
「俺はお前達を許すわけにはいかない…」
男はナイフを突き付ける。
「お前達を…殺す」
「…何故?何故私達を?」
フランソワーズがナイフを突き付けている男の前にはだかった。
「お前達がキョウコを殺したんだ!!」
「キョウコ…キョウコさんって…あの電車の?」
助けてと最後まで言っていたあのヒト。
「…あなたは…ユウジ…さん?」
フランソワーズの言葉に男は一瞬怯んだ。
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